交通ルールと法律

海外のe-bikeの法律を解説:米国のクラス制、英国のEAPC、EUのペデレック

同じバイクでも、ルールは国ごとに違います。米国、英国、EU、スイスでe-bikeが合法になる条件と、法律上モペッドになる境目をまとめました。

結論

英国とEUで合法なe-bike(ペデレックまたはEAPC)は、ペダルをこいでいる間だけアシストし、25 km/h(15.5 mph)でアシストが止まり、モーターは定格連続出力250 W以下です。免許、登録、保険は要りません。米国では連邦法が750 Wとモーターだけで32 km/h(20 mph)までを認め、ほとんどの州が32 km/hまたは45 km/h(20または28 mph)までアシストする3クラス制を採っています。それより速い、または強力なバイクは、たいていモペッドやオートバイとして扱われます。

要点

  • 英国とEU:定格連続出力250 W、アシストは25 km/h(15.5 mph)まで。型式認証なしでは、押し歩きの速度(6 km/h)を超えるスロットルは使えません。
  • 米国:連邦法の上限は750 Wで、モーターだけでの速度は32 km/h(20 mph)まで。そのうえで、ほとんどの州がクラス1、2、3のルールを適用します。
  • スピードペデレック(45 km/hまで)は欧州ではモペッドで、登録、保険、免許、ヘルメットが必要です。
  • e-bikeのリミッター解除やチューニングをすると、未登録の自動車扱いになり、保険や保証が無効になることがあります。
  • 市、公園、トレイルなど地域のルールはもっと厳しいことがあるので、走る前に必ず確認してください。

e-bikeの法律で何よりも大事なのは、そのe-bikeが自転車として扱われるか、自動車として扱われるかです。それによって、走れる場所、免許や保険の要否、事故を起こしたときの扱いがほぼすべて決まります。ルールは米国と欧州で違い、さらに州、国、市ごとにも違うことがあります。このガイドが扱うのは米国、英国、EU、スイスで、日本の電動アシスト自転車の基準は含みません。

国・地域別のe-bikeのルールを一覧で比べると?

アシスト速度モーター出力スロットル免許・ナンバー・保険
英国(EAPC)25 km/h(15.5 mph)定格連続250 W型式認証がある場合のみEAPCは不要。14歳以上
EU(ペデレック)25 km/h(15.5 mph)定格連続250 W押し歩きアシストは6 km/hまで不要
EUスピードペデレック45 km/h(28 mph)4 kWまで(L1e-B)国によるモペッドのナンバー、保険、免許、ヘルメット
米国クラス132 km/h(20 mph)750 W(連邦法)なし原則不要
米国クラス232 km/h(20 mph)750 W(連邦法)あり、32 km/h(20 mph)まで原則不要
米国クラス345 km/h(28 mph)750 W(連邦法)州による年齢制限とヘルメットがあることが多い
スイス(低速)25 km/h500 Wまで制限ありナンバー不要。14〜16歳はM区分の免許が必要
スイス(高速)45 km/h1,000 Wまで制限ありナンバー、M区分の免許、自転車用ヘルメット

米国のe-bikeの法律は?連邦法と3クラス制

連邦法では、「低速電動自転車」は、完全に機能するペダルを備え、モーターが750 W(1馬力)未満で、平地でモーターだけで走ったときの最高速度が32 km/h(20 mph)未満のものと定義されています。この定義(15 U.S.C. § 2085)は製品の安全に関するものです。どこをどう走れるかは、各州が決めます。

ほとんどの州は3クラス制を採っています。

  • クラス1:ペダルアシストのみで、32 km/h(20 mph)までアシストします。
  • クラス2:スロットルで32 km/h(20 mph)まで走れます。
  • クラス3:ペダルアシストで45 km/h(28 mph)まで。速度計が必要です。多くの州が16歳以上とヘルメット着用を求め、一部の州は多目的の共用道でのクラス3の走行を認めていません。

州ごとの違いはPeopleForBikesがまとめています。市、公園局、トレイルの管理者も独自のe-bikeのルールを設けることがあり、とくにマウンテンバイクのトレイルで多く見られます。

英国のe-bikeの法律は?電動アシスト自転車(EAPC)の条件

グレートブリテンでは、次の条件を満たすe-bikeが法律上のEAPCになります。

  • 車体を進めるために使えるペダルがある
  • モーターの定格連続出力が250 W以下である
  • モーターが25 km/h(15.5 mph)を超えて車体を進められない

この条件を満たせば、14歳から自転車と同じように乗れ、免許、登録、税、保険は要りません。ペダルをこがずに進めるバイク(たとえばグリップをひねるだけで走るスロットル式)は型式認証が必要です。認証がなければモペッドまたはオートバイとして扱われ、登録、税、保険、運転免許、オートバイ用ヘルメットが必要になります。

EUのe-bikeの法律は?ペデレックとスピードペデレック

EU規則168/2013は、250 Wまでのペダルアシストで、25 km/hでアシストが止まる自転車を、車両の型式認証の対象から外しています。実際には、これが標準的なペデレックの定義になっています。こうしたバイクは安全規格EN 15194にもとづいて作られ、試験され、自転車と同じように乗れます。6 km/hまでの押し歩きアシストも認められています。

45 km/hまでアシストする速いe-bikeはスピードペデレック(L1e-B区分のモペッド)です。ルールは国によって違いますが、一般的には次のものが必要です。

  • 型式認証とナンバープレート
  • モペッドの保険
  • モペッドの運転免許(AM区分以上)
  • ヘルメット。たとえばオランダでは、Rijksoverheid(オランダ政府)によると、認証を受けたモペッド用ヘルメットか、NTA 8776:2016の表示があるスピードペデレック用ヘルメットが認められています。

スピードペデレックの自転車道走行を禁じる国もあれば、速度制限付きで一部の道を認める国もあります。クラス3とスピードペデレックの比較では、45 km/h(28 mph)の2つの選択肢を並べて比べています。

スイスのe-bikeの法律は?低速と高速の2区分

スイスには独自の2段階の制度があり、スイス連邦道路局(ASTRA)が2025年7月1日時点の低速・高速e-bikeのルールで定めています。

  • 低速e-bike:アシストは25 km/hまで(モーター出力は500 Wまで)。14〜16歳のライダーはM区分の免許が必要で、16歳からは免許不要です。ヘルメットは推奨ですが義務ではありません。
  • 高速e-bike:アシストは45 km/hまで(モーター出力は1,000 Wまで)。登録とナンバープレート、M区分の運転免許(14歳から取得可能)、速度計、自転車用ヘルメットが必要で、ヘルメットは義務です。

リミッター解除やチューニングキットはどうなる?

アシスト速度を上げるチューニング機器は広く売られていますが、公道で使うと、ペデレックはたいてい認証のない自動車になります。罰金、保険の無効、事故のときの賠償責任、保証の失効につながることがあります。もっと速く走りたいなら、クラス3のe-bikeやスピードペデレックなど、高い速度で法的に認められたバイクを買いましょう。e-bikeを合法的に速くする方法のガイドではまずお金のかからない改善から説明し、最速のe-bikeのガイドでは法律上の速度の段階をすべて紹介しています。

よくある質問

e-bikeに保険は必要ですか?

英国とEUの標準的なペデレックやEAPCには、法律上の保険の義務はありません。ただし盗難保険と個人賠償責任保険には入っておくことを強く勧めます。EUとスイスのスピードペデレックにはモペッドの保険が必要です。米国では州によって異なり、ほとんどの州はクラス1、2、3のe-bikeに保険を義務づけていません。

e-bikeで自転車道を走れますか?

英国とEUでは、ペデレックは基本的に自転車と同じ道路設備を使えます。米国では、クラス1と2のe-bikeはたいてい自転車道を走れますが、クラス3は多目的の共用道から締め出されることがよくあります。欧州のスピードペデレックは、国によっては自転車道を走れないことが多くあります。

英国ではスロットル付きのe-bikeは合法ですか?

型式認証を受けている場合だけ合法です。英国のルールでは、EAPCは認証を受けていない限り、ペダルをこがずに押し歩きの速度を超えて車体を進めてはいけません。認証のないスロットル式のe-bikeはモペッドとして扱われ、登録、税、保険、免許、ヘルメットが必要です。

出典・参考資料

規格団体、規制当局、メーカー、査読付き研究など、できる限り一次情報を引用しています。詳しくは 編集方針をご覧ください。

  1. Electric bikes: licensing, tax and insurance GOV.UK
  2. Regulation (EU) No 168/2013 on the approval and market surveillance of two- or three-wheel vehicles and quadricycles EUR-Lex
  3. 15 U.S. Code § 2085: Low-speed electric bicycles Cornell Law School LII
  4. E-bike laws and policy PeopleForBikes
  5. Rules for slow e-bikes, fast e-bikes and mopeds (Vorschriften über langsame und schnelle E-Bikes), as of July 1, 2025 Swiss Federal Roads Office (ASTRA), hosted by BFU , 2025年7月1日
  6. Speedpedelec: regels Rijksoverheid (Government of the Netherlands)

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